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2023年03月29日

シャーシダイナモ

GSX-R150 A-Racer インジェクションチューニング[その4]最終回

こんにちは。Garage414 SonicChihuahua セッティング担当のシュンです。

こちらの記事は「その4」となっております。最終回です。
今までの経過が気になる方は、ぜひ[その1]からご覧ください。

[その1]はコチラ
[その2]はコチラ
[その3]はコチラ


*最終回の[その4]では⑦~⑧をご紹介いたします*
①車両について
②インジェクションチューニングのテーマ
③「A-Racer」について
④施工前の準備
⑤現状の測定
⑥マップ作成前に
⑦燃料噴射量の調節
⑧点火時期の変更とその他制御
⑦施工後の前後比較

⑧まとめ/感想

⑦施工後の前後比較
全てのインジェクションチューニング工程が終わりました。
早速、 施工前と施工後でのパワーグラフを比較してみましょう。
施工前が青色施工後が赤色のグラフとなっております。

スロットル開度10%時のパワーグラフ
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10%開度では燃料噴射量調節後のピークパワーと差ほど変化はありませんでした。
トルク/パワーともに大幅に底上げされています。コーナーの立ち上がりでの開け始めに大きく影響するかと思います。

スロットル開度25%時のパワーグラフ
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点火時期の調節で大幅にパワーアップしています。燃料噴射量の調節ではピークパワー0.4馬力アップが限界でしたが、0.9馬力の底上げに成功しました。
トルクも同様に全域アップしています。5000~6000回転での落ち込みについては[その2]でご紹介した埋めることのできない谷です。25%域辺りからエンジンの特性としてパワーグラフへ現れます。
この谷が燃料噴射量や、点火時期に起因するものであれば埋めることは出来ます。今回はどれだけECUに変更を加えても埋めることは出来なかったのでマシン側に起因する谷となっています。

スロットル開度50%時のパワーグラフ
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燃料噴射量の調節だけでは、ほとんど差ができなかった50%開度域でも大幅にパワーアップ出来ました。特にコースで使用する6000回転以上が全域パワーアップできました。
スロットル開度50%のパワーアップは更に上の開度へ大きく影響するのでとても重要です。

スロットル開度75%時のパワーグラフ
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75%開度域も燃料噴射量の調節だけでは変化がありませんでしたが、点火時期をはじめとする、エンジンの燃焼効率を上げるためのインジェクションチューニングによって大幅にパワーアップしました。
ここでは1馬力以上もパワーアップしています。スロットルを全開へとしていく過程でのパワーアップはトップスピード到達までの速度を速めてくれますね!

スロットル開度100%時のパワーグラフ
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最終的には全開時ピークパワーを1馬力底上げが出来ました。150ccという小排気量で1馬力をパワーアップさせるには様々な要素を積み上げていく必要がありました。
特にコースで使用する6000回転以上で全域パワーアップさせることが出来たのでオーナー様のタイム更新へかなり貢献できたのではないでしょうか♪

⑧まとめ/感想
GSX-R150は燃料噴射量を変更することでの変化はほとんどありませんでした。純正ECUの設定でもパワーを絞り出していることが伺えました。また装着されていたT-TECHのマフラーが純正ECUとの相性が良かったということもわかります。他社のマフラーと純正ECUでの相性もとても気になりますね!

低回転域では燃料噴射量の補正による変化が顕著に現れましたが、高回転ではほとんど変化がありませんでした。
馬力アップの大部分が点火時期のオフセットによるものでした。もちろん点火時期を変更したことで崩れる空燃比を整える必要があります。ひたすら試行錯誤して、底上げしていく必要がありました。

点火時期を進めるためにレギュラーガソリンよりもノッキング耐性が高いハイオク仕様にしてみましたが、レギュラーガソリンでも全く問題ない範囲の点火時期でまとまりました。
というのも、燃焼効率を上げるために部分的に進角させましたがノッキングしなかったからです。ノッキングする手前まで進角させればいいという訳でもないですし、純正データも大きく外れている点火時期を設定しているはずがありません。
進角のさせすぎは単純なパワーロスへと直結しました。特にスロットル開度75%~100%域では進角させても、差ほどパワーは変わらず、それどころか落ちていく一方です。
大排気量車でも言えますが、小排気量車は特に小さな要素1つ1つの積み重ねでようやくパワーアップしていくという感覚を感じました。


そして今回インジェクションチューニングに用いたA-Racerですが、「とにかく使いやすい!」この一言に集約されます。
最初の取っ付き難さはあったものの、慣れてしまえば「痒い所に手が届く」と言った印象でインジェクションチューニングをしていく中でストレスを感じさせない作りになっていました。

しかし「すべての設定項目を触ったのか」と言いますとそんなことはありません。基本的にストック状態から変更する必要がない項目がほとんどで「そこは調節できても...」みたいな項目も数多く存在していました。
A-Racerはオプションパーツに富んでおり、クイックシフターや後付けのセカンダリインジェクタ等々、そういったパーツのための設定項目もたくさんありました。
※※簡単に各項目についてまとめてみましたが、製作者のニュアンスと違っている物もあるかもしれませんので、参考程度にご覧ください。※※
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これだけ多くのカテゴリの中から、更に10項目程度に分岐していくので本当に多くの設定項目が存在します。

リアルタイムのログデータでは 普段私が見ないようなパラメーターもリアルタイムで見ることが出来たので非常に参考になりましたし、ECUがどのような要素を同時に処理しているかを細かく知ることが出来ました。もちろん私が見たものは、ほんの一部にすぎませんが非常に勉強になるツールでした。

以上がA-Racer RC SuperX コンプリートECUを用いたGSX-R150のインジェクションチューニング内容でした。
お伝えしたいことが多かったので[その1]~[その4]という形で分割してご紹介させていただきました。
最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。


「Garage414 ソニックチワワ」では「より速く・より扱いやすく」をテーマにパワーチェックやECUチューニングをはじめとするインジェクションチューニングを行っております。
興味のある方はぜひお問い合わせ下さい♪
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