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2023年09月26日

シャーシダイナモ

YZF-R1 純正ECU インジェクションチューニング

皆様こんにちは。Garage414 Sonic Chihuahua セッティング担当のシュンです。
今回は入庫したYZF-R1をフラッシュ方式でインジェクションチューニングしました。 市販車のフルノーマルから吸気・排気パーツを変更して純正ECUを調整しましたのでご紹介させていただきます♪


①~⑥の順番でご紹介いたします。
①車両の仕様紹介
②入庫時の測定結果
③変更したパーツ
④インジェクションチューニング調整内容
⑤調整結果
⑥まとめ

 ①車両の仕様紹介
YAMAHA YZF-R1 2015年式
入庫時は市販車のフルノーマル
外観1外観2

②入庫時の測定結果
まずはノーマルの状態でパワーチェックを行いました。その結果がコチラ!
測定結果 ノーマル
147馬力
※公開しているパワーグラフは補正してあります。(修正係数:SAE) 簡単にご説明すると「夏に測定しても、冬に測定しても近い馬力になる」ということです。馬力としては低めに出ることが多いですが、再現性が高いので比較するにはもってこいです。
フルノーマルでは147馬力です。インテークフラップでの一部吸気制限と、キャタライザーが残っていることもあり純正マフラーの抜けの悪さによって全体的にマイルドにパワーが出ています。
電子スロットルも穏やかに開閉するようになっているので、燃費の向上、急激なマシンの挙動を抑えてくれています。電子スロットル(ETV)については以前のブログで詳しく説明しています。

③変更したパーツ
マフラー:SAKURAフルエキゾースト
マフラー変更後

エアクリーナーエレメント:BMC レースタイプ エアフィルター
製造メーカーの説明では純正タイプのエアフィルターと比べて効率的に空気ろ過を行い、空気流量を増やすことが出来るそうです。燃料を増やすことは簡単に出来ますが、吸気量は限られているので大事ですね!
フィルタ 交換品

その他の不要なものを撤去
O2センサーやサーモスタット等


④インジェクションチューニング調整内容
今回はフラッシュ方式を用いてインジェクションチューニングを行います。
フラッシュ方式は[純正ECUを直接書き換えて調整]、サブコン方式は純正配線の途中にサブコンピュータを割り込ませて、そちらに書き込むことにより[純正ECUは書き換えずに調整]するものです。
フラッシュ方式のほうが拡張性に富んでおり、より細かく調整が出来ます。一方サブコン方式はサブコンピュータの性能によって調整できる内容が異なり、より細かい調整をするためには追加のツールが必要になることが多いです。
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調整内容を全て紹介すると長くなってしまうので代表的なものをピックアップして、その他は割愛させていただきます。

燃料噴射量マップ:燃料噴射量を最適化することで効率よく燃焼する混合気を作ります。

点火時期マップ:プラグからスパークを放つタイミングを変更することで、燃焼効率を向上させます。

電子スロットルバルブ (ETV) マップ:電子制御されたスロットルバルブをライダーの手元で行うスロットル開度に応じて変更できます。純正では制限がかかっている領域があります。詳しくはコチラ

インジェクターバランスマップ/秒:プライマリとセカンダリのインジェクターの割合を調整できます。高回転域では少しでも効率よく燃料と空気を混ぜたいのでセカンダリインジェクターの噴射割合が多くなります。

クイックシフター:シフトアップ時の点火カット時間を設定してクラッチ操作なしでスロットルを開けたままシフトアップできます。

オートブリッパー追加:クラッチとアクセル操作なしでシフトダウンが可能になります。ブリッピング量は目標回転数・スロットル開度・時間の3種類で調整可能です。

その他:不用品撤去に伴い発生したエラー表示を削除等


⑤調整結果
パーツ交換前後での測定結果
パーツ交換後 ノーマルと比較
パーツ変更のみでノーマルから11馬力上がって158馬力になりました。
前後のスプロケットを変更しているのでグラフ横軸の到達スピードは20km/hほど低くなっていますが、全域で大幅パワーアップしていますね。吸気効率と排気効率が大きく改善されていることがわかります。

しかしパーツを交換しただけでは空燃比が大きく乱れてしまいました
下のパーツ交換のみのグラフでは8000回転以下の燃料不足が原因でトルクロスしていることがわかります。8000回転以上では燃料噴射量が元々多いので落ち着いています。
パーツ交換後の最適化不足について
ノーマル状態だと低回転域は公道での走行をメインに作成されているので、[排ガス規制の基準を通過する目的]と[燃費向上を図る目的]で元々燃料が薄い傾向にあります。
一方高回転域では[エンジン保護/冷却目的]で燃料が濃く作成されていることが多いです。

そのためパーツ交換だけの場合、パワーは上がってもポテンシャルを引き出す事が出来ず、マシンもダメージを負っている可能性があります。


ということで現車に合わせてインジェクションチューニングしてみると...
調整前後比較 結果
パーツ交換のみの158馬力から 23馬力アップして181馬力となりました!

交換したパーツに合わせて燃料噴射量や点火時期を最適化することで、トルクが増しパワーアップしました。
低回転域はもちろんのこと、サーキット等で多用する7000回転以上で全域パワーアップしているのでインジェクションチューニングの効果が発揮されていますね!
調整前の青線グラフ3000~8000回転にかけての燃料不足とトルクの停滞改善されました。
調整後の変化

[フルノーマル]と[パーツ交換+調整後]パワーグラフを比べるとその差は歴然としています。
調整後はレブリミットに到達するまでパワーが伸び続けています。回転数リミッターを引き上げれば、まだまだピークパワーは出そうですね!
とはいえエンジン内部はノーマルなので回転数リミッターはそのままで変更しませんでした。
フルノーマルとパーツ交換+調整の比較

またエンジンパワーとは関係がありませんが、オートブリッパーも有効化しました。当社が取り扱っているWoolichRacing製のシフタースイッチを購入/装着することで機能します。
シフタースイッチ
シフトダウン時にブリッピングしてくれる機能はとても便利です♪

付属機能としてローンチコントロール、自動暖機/ピットスピードリミッター(別途スイッチ必要)を有効化できます。

社外品のシフターと比べるとサブハーネスがほとんどなく、メインハーネスに割り込ませることもしないので整備性も抜群です。純正品のシフタースイッチと入れ替えるだけで機能します。


⑥まとめ
今回はYZF-R1を市販車のフルノーマルから「パーツ交換インジェクションチューニングのみ」してみました。
ECUやメインハーネスは市販車のままで、様々な調整が出来るというのがフラッシュ方式のメリットです。

あとは実走行データを基にライダーへ合わせて再調整していけば、更に扱いやすく速い車両が出来上がります。
残念ながら同じリッターSSの現行モデル(レーサー)と比べると全体的に劣っているところもありますが、かなりマシには仕上がったのではないでしょうか。
実走行ではラム圧もかかるので、もう少しピークパワーは期待できそうです!
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カスタムパーツを装着したら、合わせてインジェクションチューニングをしてみませんか?
現車で合わせればより良いものに仕上がります!
遠方でご来店が難しいという方はECU単体での書き換え郵送サービスもご利用いただけます♪

また車両の現状が気になる方はパワーチェックサービスもお勧めです。
・今の車両にインジェクションチューニングが必要かわからない
・自分のセッティングが合っているのか気になる
・カスタムパーツがどのように機能しているか知りたい
こんな方は是非一度パワーチェックをしてみましょう!お手軽にマシンの特性や実際の空燃比を知ることが出来ます。

ということで今回はYZF-R1 2015年式のご紹介でした。少しでもインジェクションチューニングやパワーチェックに興味を持っていただければ幸いです。
もっと詳しく知りたい方や、自分の車両では何が出来るか気になった方は是非お問合せください♪
お問合せはコチラ!
担当:トクナガ
メール:sonic_chihuahua@garage414.com

 パワーチェック/インジェクションチューニング専用サイトはコチラ!
ソニックチワワHP
















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