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2022年08月26日

お知らせ

CBR1000RR(SC59)サブコンチューニング

こんにちは。Garage414 SonicChihuahua セッティング担当のシュンです。

今回はサブコンチューニングの施工例のご紹介です。
岡山国際サーキットを走られているお客様で、 マフラーをフルエキゾーストに交換されたとのことでご依頼をいただきました。

使用したサブコンはDynojet PowerCommander V(パワーコマンダーファイブ)
ECUの配線から様々な信号を取り込むことで、細かくセッティングを詰めていくことの出来るサブコンです。
※別売りの後付けモジュールは今回は使用しません。
パワーコマンダー5

車両はHONDA CBR1000RR SC59 2012年式 国内仕様 セミフルパワー化です。

SC59のセミフルパワー化やフルパワー化などについては、多くの方が記事として書かれています。
国内仕様とヨーロッパ仕様(フルパワー)では吸気量の絞り方排気の抜け全然違うようです。
入庫した車両は吸気ファンネルはヨーロッパ仕様に、ラムダクトはFRPの社外品に交換済みで物理的な吸気量制限は既に解消済みでした。

そして「CBR1000RR SC59 フルパワー化」と検索するとトップに出てくる「Rise フルパワー化制御ユニット」が組み込まれていました。
こちらのユニットは取り付けると国内仕様車の180km/hのスピードリミッターが無効化され、高回転/低回転でのざっくりとした燃料調節が出来る優れものです。
今回はこちらの燃調ダイヤルは触りません。スピードリミッターカットとのみとして利用します。

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 チューニング前にお客様が現在の車両に対してどのようなフィーリングをお持ちか伺ったところ
・第一にパワー感がない
・特定のコーナー立ち上がりで高回転時に息継ぎがある
・エンジンブレーキがキツイ
・スロットルの突きがキツイ
・トップスピードが遅い
・コールドスタートからの暖機作業でエンジンの吹けがとても悪い
・クイックシフターが上手く入らない時がある
等々数多くの情報を共有していただきました。

また岡山国際サーキット走行時のデータロガーを見せていただいたので、実際に使用している回転数の推定ができました。

車両にはハイスロが組んであったので、それも相まって開け始めが難しい車両になっていたのではないでしょうか。
車両側の物理的な問題や乗り方によっては、FIチューニングだけでは解決出来ないことも多くあるのでお客様とのディスカッションを通じて現状の分析をしていきました。

~作業開始~

早速、現状把握のためにパワーチェックしてみました。マフラーをフルエキゾーストに交換したこともあり、かなり燃料が薄くなっていました。
お客様から教えていただいたフィーリングから推測するに、マフラーを交換する前も薄かったのではないでしょうか。吸気量の制限が解除されている状態で、燃調を取っていないわけですから、もちろん燃料の割合は少なくなっていたはずです。

ということで全域燃料をガッツリと追加してから現車に合わせて味付けしていく方向でチューニングを行いました。

入庫時スロットル開度100%測定結果 143.62馬力 トルク:10.005
入庫時の測定結果
現状を詳しく把握するために 測定結果の詳細を見ていきましょう。

1.6000~7500回転あたりではトルクにが出来ていて滑らかな加速とは言えない状態でした。ギア減速比にもよりますが基本的に岡山国際では6000回転~12000回転のレブリミットまでを使用します。つまりコーナーの立ち上がり(開け始め)の「パワー感がない」というのはここのことですかね。

2.続いてコーナーを立ち上がってからしっかりと加速していくときに使う10000回転あたりでトルクが部分的にになってしまい、そのままトルクダウンしています。これが立ち上がりでの息継ぎですね。明らかにパワーが瞬間的に落ちています
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余談ですが、新型車両などで可変ファンネルが搭載されているモデルがあります。高回転時にファンネルが稼働して直径が短くなることで、吸気量を増やします。そしてパワーを更に出すという設計になっていますが、今回はそれとは別物です。単純なロスですね。

YZF-R1 2022年式 可変ファンネル介入時


YZF-R1
YZF-R1 可変ファンネルグラフ

こちらが可変ファンネルが搭載されている車両のパワーの伸び方です。11500回転あたりからパワーがもう一伸びしていますよね。このタイミングだけ電子スロットルが絞ってあったり...という話はまた別の機会にしたいと思います。ということで本題に戻ります。
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インターネットでいくつかSC59をフルパワー化された記事を見させていただきましたが、パワーグラフを見ると、6000~7500回転あたりではトルクが細いように思えました。エンジン特性なのでしょうか? パワーバンドと考えればそれまでですが、今回は少しでもこのが埋まるように努めさせていただきました。

とは言え今回は燃料噴射量の調節だけですので、あくまで土台作りです。お客様の好みに合った「扱いやすくて、より速い」車両を作ることが最終目標です。


~作業完了~


全域マップが完成しました。
パワーアップはもちろんのこと、エンジンブレーキの緩和、スロットルの開け始めの穏やかさを意識して仕上げました。

どれだけパワーアップさせてもライダーがスロットルを開けられないと意味がないですからね!

以前よりも扱いやすく、格段に加速して付いてきてくれる車両になったのではないでしょうか。

チューニング前後比較 
チューニング開始時  馬力:141.12 トルク:9.78
チューニング完了     馬力:150.06 トルク:10.16
チューニング後 前後比較


チューニング開始時と比べると10馬力近く上がりました。スリップオンの時と比べるとかなり上がっているのではないかと思います。
ギア減速比によっても変わりますが、トップスピードも圧倒的に伸びているはずです。
※青線グラフはエンジン保護のために0mapに対して全域10%燃料を補正したチューニングベースのマップです。

入庫時のデータとも比較してみましょう。


入庫時との前後比較
入庫時との前後比較
1.6000~7500回転にかけてのトルクのを改善することで低回転域から滑らかにパワーバンドへと繋がるようになりました。


2.10000回転での息継ぎ症状が改善されたことでトルクも穏やかに落ちパワーは最後まで伸びています。
全域でトルク/パワーを上げる事が出来ました!

その他にも グラフ上ではわからないことも非常に多くあります。
コールドスタート時の暖機作業でエンジンの吹けが悪かったのも歯切れのよいものに仕上がりました。

また、車両の雰囲気をお客様の好みにするためにエンブレ軽減や、スロットルの突きを鈍くする燃料補正を施しています。これはライダーの感覚に左右される好みの部分なのでシャーシダイナモ上ではわかりません。

そこで、当店では納品後のお客様からのフィードバックを基にエンジンブレーキの効き具合や、スロットルの突き、その他電子制御を変更していきます。

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SC59について、機会があれば確認してみたいなと思うことが1つあります。


それは点火時期マップです。



実際のECUデータを見ていないので断言はできませんが、国内仕様とヨーロッパ仕様では燃料噴射量のマップだけでなく点火時期のマップも違うはずです。

そしてパワーコマンダーVは追加でイグニッションモジュールを取り付けると点火時期を調節することが出来ます。
Dynojet イグニッションモジュール
イグニッションモジュール

追加で点火時期まで調節出来れば更に化けそうですね。これによってフルパワーに近い馬力が出せるのではないでしょうか。


また パワーコマンダーにはプリセットマップがいくつか配布されています。興味本位で全く同じ仕様の配布マップがあったのでダウンロードしてみました。


Dynojetプリセットマップ配布ページ
ダイノジェット 配布マップ


自分で0から作成したマップと見比べてみると、やはり補正をしている場所もその数値も別物でした。


同じ車種の同じ仕様であっても1台1台状態が違うのでプリセットデータを入れたからといって理想的な空燃比/パワーになることはありませんでした。

プリセットマップを入れてみたところ、ドン突きが増えただけでした。これをパワーアップしたと勘違いされている方も多いのではないでしょうか。
それならば0mapの全域に同じパーセンテージを少しずつ補正していく方がいいかと思います。
ご自身のマップが上手く補正出来ているか気になる方は、ぜひ当店のパワーチェックサービスをご利用ください!
パワーチェックでは馬力測定はもちろんのこと、回転数に応じた空燃比の移り変わりを見ることが出来ます。

特にコース走行では総合的な繋がりの結果としてタイムが出るので少しでもアクセルを開けにくいという要素を無くしていくことが大事です。
街乗りでも開けやすく滑らかな加速のほうが乗りやすいですよね!

やはり、「その車両に合ったチューニングをすること」が最重要です。現車でセッティングをしてこそ本領発揮です!



今回のご依頼内容には含まれていませんでしたが、クイックシフターの入りの悪さについても作業ついでに確認しました。こちらは高回転時の点火カット時間を0.05秒程度変更することで解決しました。

以上がサブコンチューニングの施工内容のご紹介でした。


インジェクションチューニングに関するお問い合わせ/ご依頼お待ちしております。
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